前回の記事ではプロスペクト理論と損失回避型のお話をしました。
プロスペクト理論の一つの中に、人は損失を回避したいと思う気持ちが強い、というものがあります。確かにリスクを受け入れる心構えがないために、なかなか勝てるトレーダーになれない人も多いです。
実際に私の知人にこんな人がいました。
その知人のトレード歴は10年。
色々な手法も知っていて、テクニカル分析の精度も高くて、良いチャート分析が出来きる人です。
ですが、「ここぞ!」というところで躊躇してエントリー出来ずに勝ちトレードを見逃してばかり・・・なのです。
彼はそれまでに負けすぎたせいか、極端に損切りになることを嫌っていました。
いや、恐れていたと言った方が良いですね。
私はそんな彼にとあるアドバイスをしました。
負けトレードになると思ってエントリーしろ!
とりあえず私は知人のトレーダーに「このトレードはどうせ負けると思ってトレードしろ!」とアドバイスしました。
エントリーチャンスが来たら、このトレードは「負けになる」と確信してエントリーするのです。
そして結果が出る前に、トレードごとにつけているトレード記録表の勝ち負け欄に「負け」と入力しておきます。
こうすることで、負ける事を前提にトレードをしているので損切りになっても精神的なダメージは大して大きくありません。逆に勝ちトレードになったら「え?」と驚くようになります。
コレを続けた彼は、徐々にではありますが、「損切りを受け入れる心構えができるようになった」と言っていました。
エントリーするとき、心の奥には「勝てるだろう、勝ちたい」という希望があるものです。
その希望があるから、損切りに合ったときにストレスになるのです。
そうであるならば、最初から希望を持たなければいい。というトレーニングです。
かなり効果があるのでぜひお試しください。
そもそも損失は避けられない
FXトレードにおけるリスクとは、損切りに合うことです。
損切りによって損の大小はコントロールできますが、損を出さないようにすることは出来ません。
そのため、トレードの結果で一喜一憂しないよう損を受け入れる心構えが必要です。
どのようなビジネスでも、必ずコストはかかります。
初期投資が少なく、利益率が高いといわれるネットビジネスでもコストは発生します。
トレーダーとして勝つためには、トレードをビジネスと捉える必要があります。
そしてビジネスであれば必ずコストは発生します。
そのコストとは、インターネット環境を作るための費用やFX業者のスプレッドもそうですが、一番はトレードで発生する損です。トレードはビジネスであり、損切りはコストであることをまず受け入れるべきです。
負ける事を前提とした資金管理をしよう!
トレードでは負ける事を前提とした資金管理が求められます。
勝率5割の手法であれば、大雑把に言っても10回中5回は負けます。
更に言えば、5回連続で損切りに合う可能性だってあるわけです。
つまり、連敗に耐えられるような資金管理でトレードしないと、お金を失う恐怖心からトレードリスクを取るのが恐くなることに繋がってしまいかねないのです。
トレーダーはリスクを測定して、そのリスクにあった資金管理をすることが求められます。
リスクが取れるのはリスクを管理できているからです。
しっかりとリスク管理すれば恐くなることもありません。