2018年8月1日に欧州証券市場監査局(ESMA)によりEU圏内のFX規制が始まりました。
その内容がちょっと驚きです。
- バイナリーオプションの禁止
- レバレッジ規制
- ボーナスの廃止
- ゼロカットの義務化
今回の規制はFXをはじめとするCFDの抜本的な改革だったと思います。
ではもう少し詳しく解説していきます。
Contents
ESMAの新規制の内容について
バイナリーオプションの禁止
一部の投資家に人気の高いバイナリーオプションは、ヨーロッパに籍を置くFX業者では取引できなくなりました。
バイナリーオプションについては、ヨーロッパ内では「単なるギャンブルに過ぎない」という考えが元々多かったので、これは仕方がないかもしれません。
おかげでヨーロッパ内のバイナリーブローカーは外国に移転しないといけなくなりました。
レバレッジ規制
それまでは比較的レバレッジの高かったヨーロッパ圏のレバレッジは以下のように制限されます。
メジャー通貨ペア:30倍
マイナー通貨ペア20倍
メジャー株価指数:20倍
マイナー株価指数:10倍
ゴールド:20倍
その他コモディティ:10倍
個別株式:5倍
仮想通貨:2倍
FXのレバレッジが最大で30倍となりました。
先日日本ではレバレッジ10倍案が出されましたが、それと比べるとまだ高い水準ではありますね。
3.ボーナスの廃止
業者によっては入金ボーナスや取引ごとにもらえるボーナスがあります。
新規制ではこのボーナスはダメになってしまいました。
4.ゼロカットの義務化
一部の海外業者では当然のように採用されていたゼロカットが義務化されました。
これは素晴らしい事ですね。
ヨーロッパのFX業者はどうなる?
今回のESMAの規制は、「投資家保護」という名目ではありますが、多くの欧州トレーダーからの反対がありました。
日本でもレバレッジ規制の際には大きな反発がありましたので、それと同じでしょう。
しかし、規制が始まってしまったらそれを受け入れるしかありません。
ヨーロッパのFX業者は、規制によって絶対的な取引量が減るために対策を迫られており、一部の業者は顧客に「オフショア法人」の口座を開くことを推奨しています。
今回のESMAによる新規制は、EU圏で金融ライセンスを持って営業しているFX業者が対象です。
ですから、EU圏外で金融に関する規制が緩い国に法人を設立すれば、規制の影響を受けず、好きな運営が出来るのです。
例えばIronFXはEU圏外にもバミューダに法人がありますので、既存顧客をバミューダ法人に移せば、これまでと同様に高いレバレッジで取引をすることが可能なのです。
実際、EU圏のトレーダーの多くは、「オフショア業者で取引を続ける」とアンケートで回答したようで、今後はオフショア業者の人気がこれまで以上に高まる可能性はあると考えられます。
XMは大丈夫?
さて、我らがXMは今回の規制で何か影響があったのでしょうか?
まずXMグループは、キプロス、イギリス、オーストラリア、セーシェル、ベリーズに法人が存在します。
今回の規制で影響を受けたのがイギリスとキプロス法人。
この二つの法人がEU圏内で営業していますので、上記の新規制に従う必要があります。
しかし、セーシェルのようなEUとは全く関係の無い国に籍を置く法人の口座は一切問題がありません。そして日本人の口座は全てセーシェルにありますので、日本人トレーダーはこれまで通り、高いレバレッジとゼロカットを享受しながらトレードすることが可能です。
しかし、以前からESMAによる規制が厳しくなることが分かっており、更には日本の金融庁からキプロスに圧力がかかったりしたこともあって、セーシェルに移した経緯があります。
ESMAの新規制で海外業者の人気が高まる?
今回の規制で、今回の規制で多くのEU圏内のトレーダーがオフショア法人でトレードを始めると考えられます。
この流れが進むと、日本だけではなく世界レベルでオフショア法人でトレードすることが普通になってくるようになるでしょう。
実際、ヘッジファンドや大手金融企業はオフショアに集まっています。
がんじがらめの規制内で取引するのは、割に合わないのです。
お金は、規制の緩い方向に流れます。
それはオフショアです。
オフショアに対して否定的な意見もありますが、税制を緩くすることでしか成り立たない国もありますのです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。