本記事は、YouTube動画「Fix Your Entries in 22 Minutes」の内容を基に構成しています。

トレードで「方向は合っていたのにエントリーで負ける」「何度も損切りにかかってから思惑通りに動く」といった経験を持つ方は少なくありません。

そうしたエントリーの問題がなぜ起きるのかを、モメンタムという視点から整理し、どのように考え方と手順を組み替えればよいのかを丁寧に解説します。

多くのトレーダーが陥るエントリーの典型的なミス

ほとんどのトレーダーが無意識に行っているエントリーの流れがあります。

多くの人は、上位足で上昇トレンドを確認し、その後の押し目を待ちます。

そして、押し目がサポートやオーダーブロック、フェアバリューギャップなどの「それらしい価格帯」に入ると、下位足に切り替えて反転シグナルを探し、そこで買いエントリーを行います。

一見すると非常に理にかなった手法ですが、実際にはこのやり方で負けを重ねる人が非常に多いのです。

その原因は、上位足ではまだ「押し目(下落)」が進行中であり、その最中に下位足の反転を狙ってしまっている点にあります。

「底を当てに行く行為」が損失を生む理由

指摘されているのが「多くの損失は天井や底を当てに行ったことから生まれている」という点です。

価格が上昇している最中に天井を当てようとしたり、下落している最中に底を当てようとしたりすると、トレンドはそのまま続き、結果として損切りになるケースが頻発します。

押し目買いを狙っているつもりでも、実際には上位足がまだ下落モメンタムを持っている段階でエントリーしている場合、それは「底当て」と本質的に変わりません。

このズレが、エントリー直後に逆行する原因になります。

マーケットはモメンタムの連続でできている

マーケットを「モメンタムの集合体」として捉える視点が重要です。

相場には上昇モメンタム、下落モメンタム、そして方向感のない保ち合いの状態があります。

これらは瞬時に切り替わるわけではなく、必ず移行期間が存在します。

時速100kmで走っている車が、ブレーキを踏んだ瞬間に0kmになることはありません。

同様に、相場も強い上昇や下落の後、すぐに真逆の方向へ転換することはなく、一度減速や保ち合いを挟みます。

この減速期間こそが、多くのトレーダーが誤ってエントリーしてしまうタイミングであり、モメンタムがまだ切り替わっていない段階なのです。

押し目中は「買いに不利な状態」である

上昇トレンド中の押し目は、短期的には下落モメンタムが優勢な状態です。

そうでなければ、そもそも押し目自体が発生しません。

この状態で買いエントリーを行うということは、下落モメンタムに逆らってポジションを取ることになります。

その結果、エントリー直後にさらに下落が進み、損切りにかかる確率が高くなります。

理想的な買い場とは、上昇モメンタムが最も強い瞬間であり、エントリー後すぐに価格が進む場面です。

この点を強く意識する必要があるのです。

エントリー以前に整えるべき「学習の階層」

ここから話題は、トレードスキルの学習順序へと移ります。

トレードには明確な階層構造があります。

最初に必要なのは方向性、つまり上に行くのか下に行くのかというバイアスの判断です。

次に、その方向性に対してエントリーが機能しやすいコンテキストエリアを見つける力が必要になります。

その後に初めて、エントリー技術が意味を持ちます。

さらにその先にリスク管理、最後にメンタルや心理面が来ます。

多くのトレーダーは、エントリーや心理を先に直そうとしますが、土台となる方向性やコンテキストが間違っていれば、どれだけエントリーを磨いても結果は改善しません。

基礎が整っていない状態で心理だけを改善しようとすることは、土台がないまま高層ビルを建てようとするようなものだと表現されています。

エントリーを改善する第一歩は「ターゲット設定」

具体的な実践に入る前に、まず行うべきことは明確なターゲットの設定です。

ターゲットを決めることで、どこまでエントリーを探してよいのか、どこで探すのをやめるのかが明確になります。これにより、無駄なエントリーを減らすことができます。

動画では、日足での安値スイープや長いヒゲなどを手がかりに、次に狙われやすい高値をターゲットとして設定する例が示されます。この時点で、トレードの全体像がある程度固まります。

境界線を引くことで「エントリー可能な範囲」が決まる

ターゲットが決まったら、次に必要なのが「境界線」です。境界線とは、エントリーを探し始めるタイミングを示すラインのことです。

これ以上下げる理由がなくなった、つまり大きな下落が起こる要因が見当たらなくなった地点から、初めてエントリーを検討します。この境界線とターゲットの間が、動画内で「機会のエリア」と呼ばれるゾーンになります。

このエリアが明確になることで、下位足でのエントリーが初めて意味を持ちます。

二段階で仕掛ける「ツースティング・エントリー」

具体的なエントリー手法として「ツースティング・エントリー」があります。

これは、直近高値を一度上抜けた後に反落し、再度高値を上抜ける動きを利用する手法です。

最初の上抜けではエントリーせず、大きな否定が起きないことを確認します。

次に、2回目の上抜けで、かつ拡張フェーズのローソク足が出現した場合にエントリーします。

この拡張フェーズとは、フェアバリューギャップを構成する2本目の足で、実体が前の高値を明確に超えている状態を指します。

この動きは、モメンタムが再び上昇側に切り替わったことを示しており、エントリー後すぐに価格が進みやすいと説明されます。

フェアバリューギャップを利用したリスク管理

ツースティング・エントリーでは、エントリー後にフェアバリューギャップが形成されることで、押し戻しが入った際の「防波堤」として機能する可能性があります。

最悪の場合でも、価格はそのギャップ内までの押しで止まり、再び上昇するケースが多いため、リスク管理の観点からも有効です。

利確は欲張らず、1対2を基本にする理由

利確については、論理的なターゲットが存在していても、リスクリワード1対2程度での決済を推奨しています。

市場は確率の世界であり、ターゲットに到達する前に大きく反転することも珍しくありません。そのため、まずは1対2のリスクリワードで安定した結果を出すことが重要だと説明されます。

まとめ

エントリーは単独で改善できるものではありません。

方向性、コンテキスト、ターゲット、境界線といった土台を整えた上で初めて、エントリー技術が意味を持ちます。

また、モメンタムという視点を取り入れることで、なぜそのエントリーが機能しやすいのかを論理的に理解できるようになります。

エントリーで悩んでいる方ほど、手法を増やす前に一度立ち止まり、どのモメンタムの中で取引しているのかを見直すことが、結果改善への近道になると言えるでしょう。

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