私が日々のトレードで実践している具体的な資金管理戦略をご紹介します。

以前の記事で、優れた資金管理手法の条件とて以下の2つを挙げました。

  • トレードを続けても破産しない資金管理であること
  • 勝つときには資産が大きく増えること

簡単に言えば、1回のトレードリスクを取りすぎず、コツコツと複利の力を利用して資金を増やしていく、という王道的な戦略です。

今回は具体的にどのようなロットサイズで複利の力を利用すべきなのかについて深掘りしていきます。

私の具体的な資金管理戦略

私が実践している資金管理のルールは、結構保守的だと自分では思っていますが、その分だけ不調の時に効果が現れやすく、優れている資金管理ではあると思っています。

資金管理の本質
資金管理の本質は、「負けが続いているときに、いかに損失額を減らすか」だと個人的には考えています。

まず1回のトレードでリスクにさらす資金は、証拠金の2%を絶対に超えないようにしています。これは破産確率を下げるためです。

もっと具体的にいうと、私は相場によってスキャル、デイトレ、スイングトレードを使い分けており、それぞれのスタイルによってトレードリスクを決めています。

トレードスタイル1回のトレードで取る最大リスク
スキャルピング証拠金の0.5%
デイトレード証拠金の1.0%
スイングトレード証拠金の2.0%

ポジション保有期間が短いほど取るリスクを減らしている理由は、トレード頻度が多くなるとその分だけストレスも多くなるからです。

ストレスが多くなると、トレードの精度も落ちますし、トレード中にメンタルが崩壊する可能性も否定出来ません。これがトレードの最大のリスクだと私は考えています。

私はトレード歴が10年以上あり、トレード中に暴走してしまうことは少なくとも、ここ7年以上は経験していません。しかしそれでも「暴走しないとは言い切れない」と考えて、日々トレードしています。
相場では何事も起こりうる、というのがモットーですので。

ロットサイズの決め方

トレードでエントリーする際には、まず直近高値安値や意識されるであろう、サポートレジスタンスラインなどから少し離れた場所に損切り位置を決めます。

そしてエントリーポイントから損切りラインまでの距離(pips)を測定して、ロット数を決めます。

つまり、損切りまでの距離によってトレードのLot数を変動させるのです。

例えば、証拠金100万円でデイトレ用のポジションを取る場合は、1回のトレードでとるリスクは最大1万円(100万円の1%)となります。

ドル円やクロス円の場合では、損切りまでの距離が10pipsならば10万通貨でエントリーし、20pipsであれば5万通貨でエントリーします。

この戦略の優れている点は、ボラティリティに関係なく金銭的な損失が一定に保てるところです。

どのトレードも固定ロットでトレードをしていると、急激にボラティリティが開いたときに「損切りに合ったらどうしよう・・・」と思って躊躇してエントリー出来ない事があります。

しかし、損切り幅に合わせてロットを変動させる戦略だと、常に金銭的リスクが一定なのでいつもと同じようにトレード出来ますし、負けたときの精神的な苦痛も大きくはならないのです。

優れた資金管理戦略は、トレード中のメンタルにも大きな影響を及ぼすのです。

実際にやってみると、その威力に驚くはず

私の周りには、多くのトレーダーさんがいます。

そのトレーダーさんの中で、勝てていない人に資金管理方法を聞くと、損切り幅に関係なくロットサイズを固定しているケースが非常に多いです。

このやり方だと、毎回のトレードリスクを一定に保つことが出来ません。
すると場合によっては1回のトレードで証拠金の5%以上をリスクにさらしてしまったり・・・と非常に危険なトレードをすることにも繋がります。

固定ロットの資金管理の場合、大きく勝てた場合は問題ありませんが、大きく負けたときのダメージが非常に大きいです。ですから、私は損切り幅に合わせてロットサイズを変更する方法をオススメしています。

その威力と効果は実際にやってもらえば分かるはずです。

トレードごとに金銭的リスクが異なるのは危険

ある程度勝てるようになるまでは、毎回のトレードにおける金銭的リスクは常に同じにしておくべきである、というのが私の意見です。

「ある程度」というのは、自分で「あ、これは勝率が高いポイントだな」と思えるところが見分けられるようになったレベルでしょうか。

このレベルに達したら、場合によってリスクを多めに取るのもありですが、どこが勝ちやすいのかが分からない場合は、リスクは一定にすべきです。

最適なポジションサイジングは、レートの変動が気にならないレベルにしよう

1回のトレードでリスクにさらす資金は証拠金の1~2%程度が適正であると言われています。

例えば、100万円の証拠金で1%ルールでトレードを行う場合には、1回当たりの損切り額の上限は1万円までということです。

この際、エントリーするときに、想定する損切りラインまでの距離が20pips程度であれば、Lot数(枚数)はドル円やクロス円であれば5万通貨までということになります。

 但し、これはあくまで目安です。
1回のトレードでリスクにさらす金額が2%以内であれば幾らでも良いと思います。

トレードサイズが証拠金の2%以下でもしんどい時

例えば、潤沢な資金を持っていたとして1億円の証拠金でトレードを行うとします。
1億円の1%は100万円ですので、1回の損切りで平均100万円~200万円を失うとします。

果たして、あなたはは100万円の損切りを淡々と行うことが出来るでしょうか?

損切りをするとき、とても辛い気持ちにならないでしょうか?
「ちょっとした軽自動車なら買えたな」
「海外旅行に行けたな」
「高級腕時計が買えたな」

こんなことを思ってしまって、次回以降のトレードに影響を及ぼすと感じたら、2%ルールに拘らずLot数を減らすべきです。

損失回避型の人間にとっては2%ルールであされもキツイ時がある

100万円の証拠金からトレードを始めて、順調に増やして1億円まで増えたとします。

その1億円はトレードで増やしたお金ですので、トレードで失っても痛くないはずなのですが損失回避型の特性を持つ人間は、そう考えることは出来ません。

1億円を失いたくないという思いが強いほど、100万円~200万円の損切りを淡々と行うことは難しくなるでしょう。

繰り返しになりますが、1回のトレードでリスクにさらす資金は証拠金の1~2%程度が適正と言われていますが、これはあくまで目安です。

自分の持っているポジションが気になって、何度もチャートをチェックしたり価格の動きに一喜一憂するのは、そもそもLot数が多すぎることが原因です。

自分の気にならない程度、つまりポジションを持っていることを忘れてしまうくらいのLot数でトレードするように心掛けてください。

そして、勝てるようになってから徐々にLot数を増やしていけば良いと思います。

逆に言えば、勝てるようになってもロットを上げるとトレードの精神的負担が大きくなった場合は、現時点でのアナタの損失許容額はそれくらいのロットが上限である、と考えるべきです。

無理にロットを上げようとするとルールを破る原因になります。
この辺はトレーダーの実力と言うよりは性格に依存します。

確かにFXは1億円以上の利益を出すことは可能です。
しかし、その利益を出すためにはそれだけのリスクを背負う必要があります。

それが無理な場合は、とりあえず自分に可能なレベルのリスクを取って、そのリスクに慣れる⇒少しリスクを上げる、とやっていくしかありません。

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