岐阜暴威さんは、FXや株式、株価指数CFD、商品CFDなどを取引し、その損益をSNSやライブ配信で公開してきた個人投資家です。

相場観が外れる人物を意味する「逆神」として知られていますが、実像は単純な負け続けのトレーダーではありません。過去には資産を約4,600万円まで増やした一方、チャイナショックなどで資金の大部分を失い、何度も相場から退場しています。

それでも再び入金し、会社員として働きながら相場へ戻り、現在も専業に近い形で取引を続けています。

本記事では、複数のインタビュー動画における本人の発言をもとに、岐阜暴威さんの生い立ち、約20年に及ぶ取引の歴史、投資スタイル、強みと弱みを整理します。

なお、資産額や年間収支はインタビューの収録時期によって異なります。本記事では、各時点の本人申告として紹介します。

岐阜暴威氏のプロフィール

岐阜暴威さんは、岐阜県を拠点に活動する個人投資家、配信者です。

2026年に40歳を迎えており、本人の発言から1985年生まれとみられます。

投資を始めたのは2006年で、2026年時点では約20年の相場経験があります。

「岐阜暴威」という名前は、本名や自分で考えたハンドルネームではありません。2ちゃんねるの投資関連掲示板で、岐阜県出身であることから、周囲の利用者によって名付けられたものです。

本人によると、当時の掲示板には強烈な個性を持つ人物に「○○ボーイ」という名前を付ける風習があったといいます。そこから「岐阜ボーイ」と呼ばれるようになり、現在の「岐阜暴威」という表記が定着しました。

岐阜暴威氏の生い立ちと会社員時代

岐阜暴威さんの人生には、投資以外の派手な経歴があるわけではありません。

若い頃から会社員として働き、年収は300万~330万円程度だったと話しています。そのまま働き続けても、将来的な年収は500万円に届くかどうかだろうと考えていました。

プライベートでは友人や交際相手が少なく、同僚と飲みに行くこともほとんどなかったといいます。当時の生活は、家、職場、ジムを往復することが中心でした。

趣味や交際に使うお金が少なかったため、給料が入ると生活費や引き落とし分を残し、余った資金の多くをFX口座へ入金していました。

給料日の直後に取引資金を失い、次の給料日までほとんどお金がないという生活も繰り返していたようです。

一時期専業トレーダーになったものの、2015年の退場後に再就職し、大手警備会社で警備員として勤務しました。

インターネット上では破天荒な人物として見られていますが、本人は会社員としては真面目に勤務していたと振り返っています。

インターネット上で見せる岐阜暴威という人物像には、見る人を楽しませようとするサービス精神も含まれています。

本人も、人に見られていると面白くしようとして、普段より言動が過剰になることがあると認めています。

投資を始めたきっかけは「ジェイコム株誤発注事件」

岐阜暴威さんが投資に関心を持ったきっかけは、2005年12月に発生したジェイコム株の誤発注事件です。

この事件では、みずほ証券の担当者がジェイコム株の売り注文を誤って発注し、その異常な注文を利用した一部の個人投資家が巨額の利益を得ました。

20代の若者が数億円、あるいは数十億円を稼いだという話を知り、岐阜暴威さんは「自分にも一発逆転のチャンスが来た」と考えます。

会社員として地道に働くよりも、相場で成功するほうが人生を大きく変えられるのではないか。その期待から証券口座を開設し、2006年1月に約100万円を元手として株式投資を始めました。

ここから約20年に及ぶ、激しい浮き沈みを伴う投資人生が始まります。

2006年、信用取引から始めて最初の100万円を失う

投資初心者だった岐阜暴威さんは、最初から現物株ではなく信用取引を利用しました。

本人によると、当時はインターネット掲示板で得た情報を参考にして、証券会社に申告する投資歴や金融資産を実際より多く記載し、信用取引口座を開設したといいます。

約100万円の資金にレバレッジをかけ、約300万円分の取引を行ったため、相場が逆方向へ動いたときの損失も急速に膨らみました。

2006年の相場環境が悪化したこともあり、資金は取引開始から約半年でほぼなくなります。ここで最初の退場を経験しました。

現在の視点で見れば、投資経験がない状態で高いレバレッジを利用したことが、最初の失敗を大きくしたといえます。

2008年、資金を300万円まで増やすもリーマンショックで退場

最初の退場後も相場を見ることはやめず、会社員として働きながら再び100万円を貯めました。そして2008年1月ごろ、株式市場へ復帰します。

北京オリンピック関連など、当時注目されていた銘柄を取引し、100万円だった資金は一時約300万円まで増加しました。

しかし、同年9月にリーマン・ブラザーズが破綻します。リーマンショックによって世界の金融市場が大混乱に陥り、株価は激しく上下しました。

岐阜暴威さんは、急落後の反発を見て「底を打った」と判断して買うものの、翌日に再び歴史的な下落に見舞われるといった取引を繰り返します。

最終的には、約300万円まで増えていた資金が7万~10万円程度まで減少し、2度目の退場となりました。

2008年末からFXへ移行

リーマンショックで株式投資の資金を失った岐阜暴威さんが、次に目を向けたのがFXです。

当時はFX会社が積極的に広告を出し、少額から取引できる「ミニFX」などのサービスも普及していました。株式投資を再開するために100万円を貯める必要はなく、10万円程度でも取引できることが魅力でした。

しかし、ここでも安定して勝てるようにはなりませんでした。

給料が入るたびに約10万円をFX口座へ入金し、それを短期間で失い、翌月の給料日に再び入金する。このサイクルを2012年ごろまで繰り返したといいます。

何度資金を失っても「来月は勝てる」という不思議な自信がありました。

損失を出した後は、おいしいものを食べて気持ちをリセットし、次の給料でまた挑戦していました。

現在の岐阜暴威さんにつながる最大の特徴である「諦めの悪さ」は、この頃からすでに表れています。

2012年から2013年、アベノミクス相場で大成功

岐阜暴威さんの投資人生における最大の成功は、2012年から2013年にかけて訪れます。

加入していた保険を解約したことで約400万円の資金を得た岐阜暴威さんは、民主党政権から自民党政権への交代をきっかけに、日本株が上昇すると予想しました。

特に注目したのが東京電力株です。

民主党政権下で厳しい状況に置かれていた東京電力について、自民党政権になれば政策面で状況が変化すると判断。信用取引を利用して約900万円分を購入しました。

東京電力株は約130円から約220円まで急上昇し、この取引だけで約400万円の利益を得たと話しています。

その後もアベノミクス相場の追い風を受け、資産を急速に増やしました。

2013年末ごろには、過去最高となる約4,600万円に到達します。

この時点では生涯収支もプラスとなり、会社を辞めて専業トレーダーになりました。

「岐阜暴威は負け続けている」という印象が強いものの、実際には数百万円の資金を4,000万円以上に増やした経験があります。

相場の大きな流れとポジションが一致したときの爆発力は、非常に大きかったといえます。

2015年、チャイナショックで4,600万円から11万円へ

専業トレーダーになった後、岐阜暴威さんの資産は徐々に減少します。

2015年初めごろには1,000万円を下回り、同年8月のチャイナショックで決定的な損失を受けました。

当時は先物取引を行い、下落する相場に対して買い向かっていました。

相場が下がるほど買いを入れて耐えた結果、資金はさらに減少。最終的には約11万円となり、相場から退場しました。

約4,600万円あった資産を、2年足らずでほぼすべて失ったことになります。

退場した際には2ちゃんねるへ、最高で約4,600万円まで増えたものの、現在は約11万円になったと投稿しました。この書き込みがまとめサイトなどで拡散され、岐阜暴威さんの存在が広く知られるきっかけとなりました。

退場後に再就職し、配信活動を開始

2015年の退場後は専業生活を諦め、両親に謝って再就職活動を始めました。

その後、大手警備会社に就職し、会社員として働きながら相場への入金を再開します。

同じ時期にTwitterやニコニコ生放送での情報発信も始めました。

すでに2ちゃんねるでは名前が知られていたため、Twitterを始めると著名な投資家などが投稿を拡散し、短期間でフォロワーが増えたといいます。

2016年ごろも相場では損失が続きましたが、その損失を隠さずに公開しました。

投資の世界では、利益を出したときだけ成果を発信する人も少なくありません。そのなかで、岐阜暴威さんは含み損や大きな損切り、ロスカットまで公開しました。これが「逆神」と呼ばれる大きな理由です。

本人には、負けを公開することで損失をエンターテインメントとして消化できたという感覚もあります。現実の生活で人間関係が少なかったため、SNSや配信が自分の居場所になったとも話しています。

2020年、原油価格の歴史的急落で再び資金を失う

岐阜暴威さんは、2020年のコロナショックでも大きな損失を経験しました。

当時、原油価格はすでに大幅に下落しており、「ここから買えば大丈夫だろう」と考えて買いポジションを持ちました。

しかし、原油価格は市場の想定を超えて下落し、WTI原油先物価格は一時マイナス圏へ突入しました。岐阜暴威さんのポジションもロスカットされ、取引資金は7万~8万円程度まで減少したといいます。

2015年のチャイナショックに続き、「大きく下がったから、そろそろ反発するだろう」という逆張りによって退場したことになります。

2022年、警備会社を退職して再び専業へ

2022年、岐阜暴威さんは再び専業トレーダーとして活動することを決めます。

同年1月から退職までの約8か月間、相場で連続して利益を出し、合計約1,000万円を稼いでいました。

加えて、YouTubeやメディア出演による収入が発生し、副業禁止だった勤務先で働き続けることが難しくなった事情もあったようです。

2022年9月末に大手警備会社を退職しました。

ところが、退職する月に約300万円、その翌月に約600万円を失いました。別のインタビューでは、約1,600万円あった資産が約600万円まで減り、退職金約100万円を入金して約700万円から再出発したと話しています。

会社を辞めた直後に収入源が不安定となり、同時に相場でも大敗するという、精神的に極めて厳しい状況でした。

本人によると、約20年の投資人生で最も精神的に追い込まれたのは、リーマンショックやチャイナショックではなく、2022年10月だったといいます。

それでも再就職せず、取引とYouTubeなどの配信活動によって生活を続けました。

専業復帰後の成績は、イメージほど悪くない

岐阜暴威さんには「いつも負けている」というイメージがありますが、専業復帰後は必ずしも毎年負けているわけではありません。

インタビューでは、専業復帰後の約4年間について、プラス100万~200万円程度の年があり、ある年には約800万円のマイナス、別の年には約600万円のプラスとなり、累計ではほぼトントンと説明しています。

また、2023年には年の前半に約1,000万円を失ったものの、後半にその損失をほぼ取り戻したとも話しています。

大きく勝つ年と大きく負ける年を繰り返すため、収支の変動は激しいものの、「専業になってから毎年負け続けている」というわけではありません。

一方、生涯を通じた入金額は約4,800万~5,000万円で、インタビュー時点の資産が約2,300万~2,700万円だったことから、本人は生涯収支を約2,300万~2,500万円のマイナスと推定しています。

岐阜暴威の投資スタイル

岐阜暴威さんの取引スタイルを一言で表現すると、幅広い市場を対象とした裁量トレードです。

体系化されたテクニカル分析に基づくシステムトレーダーではなく、その時々の値動き、ニュース、相場の雰囲気などから売買を判断します。

取引対象は非常に幅広く、主に次のような商品を取引しています。

  • FX
  • 日本株
  • 株価指数CFD
  • 株価指数先物
  • 原油
  • 天然ガス
  • ココア
  • 香港株価指数などの海外指数

FXではドル円やポンド円といった主要通貨ペアだけでなく、ユーロ豪ドルや豪ドルニュージーランドドルなどの通貨ペアにも手を出しています。

本人によると、ドル円や日経平均などの主要市場で負けると、損失を別の市場で取り返そうとして、ココア、天然ガス、香港指数、マイナー通貨などへ移動する傾向があります。

つまり、取引対象を分散しているというより、「負けた市場から別のチャンスを探しに行く」行動に近いと考えられます。

基本的には逆張りを好んできた

過去の岐阜暴威さんは、逆張りを多用していました。

急騰した相場を見て「ここが天井だ」と売り、急落した相場を見て「ここが底だ」と買うスタイルです。

逆張りは転換点を正確に捉えれば、大きな値幅を取れます。天井付近で売り、底値付近で買えれば、短期間で大きな利益を得られるからです。

一方、相場に強いトレンドが発生していると、逆張りは非常に危険です。

2015年のチャイナショックで下落中の先物を買い続けたことや、2020年に急落中の原油を買ったことは、その典型例です。「すでに十分下がった」という判断が、さらなる下落の前では通用しませんでした。

本人も逆張りの危険性を認識しており、最近は「極力逆張りをしない」「できるだけ順張りをする」と意識しています。

ただし、本人の発言を総合すると、完全に順張り型へ転換できたわけではなく、急激な値動きを見ると天井や底を予測したくなる傾向は残っているようです。

テクニカル分析をほとんど勉強していない

岐阜暴威さんは、チャート分析やインジケーターの勉強をあまりしてこなかったと率直に話しています。

約20年の相場経験がある一方で、テクニカル分析を体系的に研究し、検証した手法を繰り返すタイプではありません。

情報収集についても、投資を始めた当初は2ちゃんねるの書き込みに強く影響されていました。

東京電力株のように掲示板の情報が大きな利益につながった例もありますが、他人の意見を信じて損失を出した経験もあります。

現在は、他人の意見だけでポジションを持っても自分の経験にならないとして、最終的には自分で判断することを重視しています。

一方で、本人が「勉強しない」と表現していても、約20年間にわたり実際の資金を投じ、歴史的な暴落を何度も経験してきました。理論的、体系的な知識は少なくても、実戦を通じて得た相場への感覚は持っていると考えられます。

最大の弱点は「利益は早く確定し、損失を長く持つ」こと

岐阜暴威さんの成績が安定しない最大の原因は、利確と損切りの非対称性です。

利益が出たポジションは早めに決済する一方、含み損になったポジションは長期間保有する傾向があります。

そのため、当たったポジションはすぐに手元からなくなり、外れたポジションだけが口座に残ります。SNSで保有ポジションを見た人には、常に予想が外れているように映ります。

「岐阜暴威が持ったから逆へ動いた」と見られがちですが、本人はその背景を「当たっているポジションは利確してしまうから残っていない」と説明しています。

これはプロスペクト理論で説明される、典型的な個人投資家の心理でもあります。小さな利益は確実に受け取りたい一方、損失は確定させたくないため、回復するまで待とうとしてしまするうのです。

結果として「利益は小さく、損失は大はきい」という構造になります。

損切り注文を動かしてしまう

岐阜暴威さんは、エントリー時点では逆指値を設定することがあります。

例えば、前回高値を超えたら30万円の損失で決済するという、一定の根拠を持った損切り注文です。

ところが、価格が損切りラインへ近づくと「30万円は失いたくない」「いったん冷静に考えよう」と考え、逆指値を遠くへ動かしたり、注文そのものを取り消したりします。

当初の損切りラインを価格が突破すると、エントリーの根拠は崩れます。しかし、その時点では損失が30万円から50万円などへ拡大しているため、さらに損切りしにくくなります。

こうして含み損が膨らみ、最終的には数百万円単位の損失や強制ロスカットへつながります。

本人はこの問題を明確に理解しており、「逆指値を入れたらチャートを見ない」というルールを作っています。しかし、実際にはスマートフォンで1日に何度も損益を確認してしまうと話しています。

問題は損切りの知識がないことではなく、損失を目の前にしたときに、決めたルールを守れないことにあります。

勝った後と負け始めた後にブレーキが利かない

岐阜暴威さんは、調子が良いときに大きく資金を増やせる反面、流れが変化したときに取引量を落とすのが苦手です。

連勝していると「億が見えた」「さらに増やせる」と考え、積極的なポジションを取り続けます。

しかし、相場環境が変わって損切りが続いても、直前まで勝っていた記憶があるため、「まだ取り戻せる」「次は勝てる」と考えます。

大きな損切りが数回続くと、損失を受け入れられる精神的な限界に達し、次のポジションでは損切りできなくなります。その結果、最後の1回で致命的な損失を出すことがあります。

本人も「勝っているときに調子に乗ることより、逆回転が始まったときにブレーキをかけられないことが問題」と分析しています。

配信中は普段以上にポジションを取りやすい

配信者であることも、トレードに影響を与えています。

ライブ配信中は、視聴者から「ポジションを取ってほしい」「大きな値動きを見せてほしい」という期待を感じ、普段なら見送る場面でもエントリーしてしまうことがあります。

損失を出す岐阜暴威というキャラクターが注目を集めたため、無意識にその期待へ応えようとしてしまう面があるのです。

これは、食べることを期待されるタレントが、番組内で食べ続けなければならない状況に似ています。

岐阜暴威さんの場合、トレードとコンテンツ制作が分離されていません。損益を公開することが人気の源泉である一方、視聴者の存在が判断を乱す原因にもなっています。

岐阜暴威の強み

何度失敗しても相場へ戻る回復力

最大の強みは、圧倒的な継続力です。

2006年の最初の退場、2008年のリーマンショック、2015年のチャイナショック、2020年の原油急落、2022年の専業復帰直後の大敗を経験しても、相場を完全にはやめませんでした。

約4,600万円から約11万円まで資金を減らした後にも再就職し、給料から再び入金しています。

一般的な意味で優れた資金管理とはいえませんが、失敗によって完全に行動不能にならない精神的な回復力は際立っています。

大相場に乗ったときの爆発力

アベノミクス相場では、政策転換による株価上昇を予測し、東京電力株などへ大きな資金を投入しました。

この判断が当たり、数百万円の資金を約4,600万円まで増やしています。

大きな流れをつかんだときにポジションを拡大し、短期間で資産を増やす力を持っています。安全性を最優先するトレーダーにはない爆発力です。

自分の弱点を正確に言語化できる

岐阜暴威さんは、自分がなぜ負けるのかをかなり正確に理解しています。

逆張りをする、損切り注文を動かす、利益を早く確定する、損失を長く持つ、負けを取り返そうとする、配信中に期待へ応えようとする――こうした問題を本人が具体的に説明しています。

理解していても実行時に修正できない点が課題ですが、自己分析そのものは非常に鋭いものがあります。

損失を隠さない誠実さ

利益だけでなく、含み損や退場まで公開してきたことも大きな特徴です。

投資家にとって、損失を公開することは精神的に簡単ではありません。それでも毎月の収支を公表し、失敗した理由も話しています。

この透明性があるため、岐阜暴威さんの失敗は、他の投資家にとって貴重な事例になっています。

相場で生き残る現実を知っている

岐阜暴威さんは、勝てない人に対して「相場をやめるのも選択肢」と話しています。

相場は人生を豊かにする手段であり、相場のせいで人生が苦しくなるなら、距離を置くべきだという考えです。また、短期間で取り返そうとせず、焦らずに続けることの重要性も語っています。

本人が十分に実践できているわけではありません。しかし、実践できない難しさまで含めた発言には、長年の失敗を経験した人物ならではの重みがあります。

岐阜暴威の弱み

岐阜暴威さんの弱点は、主に次の点へ集約できます。

  • 損切りを先延ばしにする
  • 逆指値を動かしたり削除したりする
  • 利益を早く確定する
  • 逆張りによって強いトレンドへ立ち向かう
  • レバレッジを高くしやすい
  • 負けた市場から別の市場へ移り、取引を続ける
  • 連敗時に取引を止められない
  • 配信中に視聴者を意識してエントリーする
  • テクニカル分析や売買手法を体系的に検証していない
  • 資産額や直近の利益を基準に生活支出を増やしやすい

特に深刻なのは、損失を限定できないことです。

どれだけ相場観が優れていても、1回の損失が過去の利益をすべて消してしまうなら、長期的な資産形成は安定しません。岐阜暴威さんは大きく勝つ能力を持ちながら、それ以上に大きな損失を出すため、生涯収支がマイナスになっています。

「逆神」という評価だけでは本質を見誤る

岐阜暴威さんが「逆神」と呼ばれる理由は、単純に相場予想が毎回外れるからではありません。

利益が出たポジションは早く決済する一方、外れたポジションは長期間保有し、その含み損をSNSや配信で公開します。さらに、利益を出した投稿よりも、大損した投稿のほうが拡散されやすいという事情があります。

インタビューでも、約90万円勝ったことを投稿しても大きな反応がなく、損失を出したときだけ多くの人が集まると話しています。

したがって、世間に見えている岐阜暴威像には、大損が選択的に拡散されるという偏りがあります。

もちろん、生涯収支がマイナスである以上、安定した成功者とはいえません。しかし、約4,600万円まで資産を増やした経験や、専業復帰後に利益を出した年が複数あることを無視して、単に「必ず外す人」と評価するのも正確ではありません。

現在の目標は大金持ちより「旅トレーダー」

若い頃の岐阜暴威さんは、相場で大金持ちになり、人生を一発逆転させたいと考えていました。

現在は、必ずしも1億円を稼ぐことだけを目標にしていません。本人が理想としているのは、各地を旅行しながら取引する「旅トレーダー」です。

さまざまなホテルに泊まり、知らない土地を巡りながら、相場や配信の収入で生活することを望んでいます。

高級品を所有した経験よりも、岐阜から東京まで原付で3日かけて移動した経験などのほうが、強く思い出に残っているとも話しています。

一方で、投資家としては、生涯で入金した約5,000万円を取り戻すことも大きな目標です。税金まで考慮すると、今後約6,000万円を稼ぐ必要があると本人は計算しています。

岐阜暴威から学べること

岐阜暴威さんの投資人生は、成功するための模範例というより、個人投資家が陥りやすい心理を可視化した実例です。

相場観が当たるかどうかだけでは、長期的な成績は決まりません。

重要なのは、予想が外れたときに損失を限定できるか、勝っているときに利益を伸ばせるか、連敗時に取引を停止できるかという資金管理です。

岐阜暴威さんは、大きな相場を当てて資産を急増させる能力を見せてきました。しかし、損切りを先延ばしにすることで、積み上げた利益を何度も失っています。

その約20年の歴史から得られる教訓は明確です。

「相場を当てる能力」と「相場で利益を残す能力」は、同じではありません。

岐阜暴威さんの本当の強さは、予想の精度ではなく、失敗を隠さず、何度資金を失っても立ち上がってきたことにあります。一方、その粘り強さが損切りの場面では執着へ変わり、損失を拡大させる原因にもなっています。

諦めないことが最大の強みであり、諦められないことが最大の弱みでもある――。この相反する性質こそが、岐阜暴威という投資家を最もよく表しているといえるでしょう。

参考動画
https://www.youtube.com/watch?v=BtNte3Ws7z4&t=3s
https://www.youtube.com/watch?v=eYHllJQGO6I&t=5s
https://www.youtube.com/watch?v=inp-bEFX4Ks&t=24s
https://www.youtube.com/watch?v=X7QMr8xFrnI
https://www.youtube.com/watch?v=_d5F7XtDZTg&t=16s

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