今回はダウ理論の上級編と言うことで少し変わったエントリーポイントについて解説します。
ダウ理論について「よく知らない」「あまり自信が無い・・・」と言う方は以下の2つの記事を読んでから、今回の記事をご覧いただくと、より理解が深まると思います。
ではご覧ください。
Contents
このエントリーどう思いますか?
早速ですが、上の図のエントリーポイントについてどう思われるでしょうか?
- 自分の知ってるダウ理論のエントリーじゃない
- ここで売るのはおかしいでしょ!
- 違和感を感じる・・・
そう思われたのではないでしょうか。
確かにダウ理論をしっかり理解されていいる方ほど「変だな?」と感じだと思います。
ダウ理論では戻り高値を超えてしまったら、少なくともトレンド終了、人によってはトレンド転換と切り替えるのがセオリーですので、図の『売り』という記述には、疑問を感じるのは当然です。
しかし、場合によってはこういった常識破りのエントリーをしてもいい時があるんです。
今回はこのお話をしたいと思います。
少しダウ理論のおさらい
ダウ理論において目線の切り替わるポイントは、上昇トレンドならば『押し安値の下抜け』、ダウントレンドなら『戻り高値の上抜け』です。
こうなった時は目線が切り替わるわけですが、逆に言えば、これらが発生しなければ目線は固定すべきです。
上の図の戻り高値を付けて安値を更新した場合、ここを上に超えてくるまでは下目線で固定というのがダウ理論です。
それから戻り高値をブレイクした所で『転換の明白なシグナル』となって、上目線に変わります。
改めて今回のエントリーポイントについて考える
では、話を今回の話題に戻します。
改めて最初の図を見ると、『売り』は違和感を感じますよね。
戻り高値超え後は上目線なので、売りではなく、『買い』を狙って、エントリーに備えるのがセオリーです。
しかし、例があります。
敢えてここでショートすべきポイントが!
上位足と一緒に見る!
少々引っ張りましたが、正解発表です。
下図を見てください。
一目瞭然ですね。
青色の5分足が、戻り高値を超えて段階で目線が上に切り替わります。
しかし、1時間足はまだまだ下降トレンド中です。
つまり、5分足では上目線、1時間足では下目線となり、大きな足と小さな足の波長が不一致という状況です。
ダウ理論は、各時間足それぞれに当てはめることが可能ですので、日足、4時間足、1時間足、15分足、5分足、と、各時間足ごとにトレンドが異なることなんて日常茶飯事です。
すべての時間軸のトレンドが同じならば、『最も簡単な相場』ですので、私はそういうポイントはかなり枚数を乗せてエントリーします。
しかし、各時間足のトレンドがずれていると、難しいですよね。
そういう時にどう相場の環境認識をするのかというルールがないと判断できないのが実情です。
多くの人はそんなルールもなく、おそらく適当に、自分のエントリーしたいと思う方向に都合のいい情報だけを見て、勝手に解釈してエントリーして、負けるわけです。
では、どう考えるべきか?というと、『上位足の方向性重視』というルールを加えてやります。
今回のような上位足と下位足の流れが違うケースであれば、1時間足のダウを重視して下降トレンド』という環境認識をするわけです。
つまり『売り目線』ということになります。
この目線を決めるという段階でトレードのほぼ全てが決まると言っても過言ではありません。
上位足と下位足のトレンドの違いをどう処理していくか?
1時間足『下目線』の状況で5分足が上昇トレンドになった時、これらの情報をどう処理したらいいのでしょうか?
私の場合は、それでも5分足の流れは1時間足の流れの中にあるに過ぎないと考えて、下目線を崩しません。私の中では、1時間足のトレンド方向こそがエントリーする絶対的な方向なのです!
しかも、今回のケースではロールリバーサルのポイントでもありました。
ここは、もともとサポートラインだったところがレジスタンスになるところです。
つまりレジサポ転換するところなので、水平線的にも売りに有利な条件が整っています。
となると、ここで再度相場環境を認識していきましょう。
- 1時間足のダウ:『下目線』
- レジサポ転換:『下目線』
- 5分足のダウ:『上目線』
そして、『上位足のダウを重視するルール』を加えると、5分足が上目線であっても、これは『自信を持って売り』という結論に至るのです。
実際のチャートで確認
では最後に実際のチャートで確認していきましょう!
まずは1時間足です。
赤い矢印がショートポイントです。
赤い水平線は押し安値であり、ロールリバーサルのポイントでもあります。
次に下が5分足です。
戻り高値をブレイクしましたが、1時間足の水平線近辺まで戻して勢いよく下落しています。
この下げを見て、「1時間足の流れに従って動いている!」と判断できれば、ショートしても良い!と言うのが今回の記事でした。
教科書通りのやり方でもなければ、初心者向けのやり方ではない、上級者の手法です。
しかし、トレードを続けていたら、こういったポイントが見えてくる時が必ずあります。ビッグチャンスになることも多々ありますので、ぜひ頭の片隅に入れて置いてください。