今回は、「新マーケットの魔術師」内でインタビューを受けている「ビル・リップシュッツ」氏の発言から、彼のFXトレードの秘訣についてまとめます。

「通貨の帝王」と呼ばれた男の思考をぜひご覧ください。

ビル・リップシュッツ氏とは?

ビル・リップシュッツは投資銀行のソロモン・ブラザーズで通貨オプション部門を立ち上げて、かなりの収益を上げた伝説的なトレーダーです。

一説には、8年間でソロモンへ与えた利益は、5億ドル以上といわれています。

その後、彼は、自分の投資顧問会社を設立し、現在はハザーセージ・キャピタル・マネジメントという通貨市場をターゲットとするファンドを運営しています。

新マーケットの魔術師のインタビューから得られる3つのカテゴリー

「新マーケットの魔術師」内のビル・リップシュッツのインタビューを読むと、大きく3つのカテゴリーに分けることができます。

それは、

  • 外為市場の本質を見抜く方法
  • トレードの具体的技術とは
  • 優秀なトレーダーの資質

の3つです。
これらについて詳しく解説していきます。

外為市場の本質とは?

それでは、外為市場の本質からです。
外為市場の本質は以下の4つの項目に分けられます。

  1. 外為市場の本質とは「関係」にある
  2. 外為市場とは心理的なマーケットである
  3. 外為市場で勝つには、「情報の流れ」を追って、そして乗ることである
  4. 外為市場の「情報」とは、何がベースでマーケットが動いているかを知ること

外為市場の本質とは「関係」にある

外為市場とは「関係」がその本質であると喝破しています。

「外為とは、関係なんだよ。流動性を見つけること。
情報の流れに乗ること、すべてが関係なんだ。」

つまり、FXで勝利するには、どのような関係である外貨が下がり、ある外貨があがっているのか、その関係性を掴むことが最も大事であると語っています。

言いかえれば、FXマーケットとは、摩訶不思議な動きをするのではなく、因果関係があって動くので、その関係性を考えることを彼を最も大事な要素であると考えているわけです。

外為市場とは心理的なマーケットである

「外為市場というのは、心理的なマーケットだからね。もし振られたとしても、売り抜ける前に、マーケットが安定する価格にすぐ戻ると思っているんだろう?必ずしもそうじゃないんだ。もしマーケット価格を4%動かしたとしたら、それは次の数日間にわたって市場心理に影響を与えることになるのさ。」

これは、市場心理・センチメントにつながる考え方ですが、外為市場は、たとえ要人発言等で10%の下落を許容する発言があったとしても、必ずしもそうならず、市場心理の方向性によって、5%程度で落ち着くような現象があります。

このように、いろんな要因・指標発表・発言があったとしても、その時のセンチメントを考える必要があります。ただテクニカル的な分析だけでは値がそのまま動くとは限らず、あくまでも外為市場の本質は心理的なマーケットであることを知ることだと彼は言っていると解釈しています。

外為市場で勝つには、「情報の流れ」を追って、そして乗ることである

「外為は24時間のマーケットなんだ。われわれが午後5時に帰ったからって、マーケットが寝てしまう訳ないじゃないんだ。マーケットは夜間でも開いていて動いているんだ」

「僕は、昼も夜も、東京、ロンドン、フランクフルト、ニューヨークのディーラーと話していたね。それが外為ディーリングさ」

外為市場は、大きく分けて、ニューヨーク、東京、ロンドンの3大市場ですが、その一つだけを見るのではなく、24時間のつながり、連続的な情報の流れを読むこが外為トレードだと言っいます。

実際に、彼の家には、トイレにも寝室にも外為のチャートと速報ニュースが見れるよう、モニタリングしてあるそうです。

逆にそれだけ真剣に外為における情報の流れリアルタイムで24時間体制でつかんでいたからこそ、8年間で500億円以上の利益をソロモンブラザース社にもたらしたといえるのかもしれません。

 これは1980年代では異例の設備です。
ただ、スマートフォンが発達した現在では、誰でも彼と同じ環境でトレードをすることが可能ですね。

外為市場の「情報」とは、何がベースでマーケットが動いているかを知ること

「重要なのは、そのときどきでマーケットが何をベースに動いているかを知っていることなんだ。」

「情報の流れに乗ることは必要だし、マーケットが見ているものは何か、を知ることも必要なんだ。」

上記の具体例として、彼は、ある日の外為市場は、金利の一番高い工業国に投資している(金利差で取引すると言う)時もあり、またある時は、外為市場は金利差ではなく、金利は低くとも将来性のある国に投資することもあると言っています。

このように全くの正反対の要因でマーケットが動くことがあるため、現在、マーケットは何が要因で動いているか、何をベースとしているかを知ること、これが情報の流れに乗ることになります。

つまり、要因を外為市場の内在的な論理として、これが根底のベースとして、今、値が動いているのだといえるかということになります。

そのためには、自分とは違う異質の視点をもつトレーダーの考えを知ることが必要になってきます。例を挙げれば、自分なりのマーケットの流れのシナリオを持っていたとしても、あえて、違う意見を発表しているプロトレーダーや個人投資家のサイトやブログでの発言内容を知ることも非常に参考になる、ということでしょう。

トレードの具体的技術

それでは、ビル・リップシュッツの具体的なトレード技術を分析したいと思います。
これはいわば、500億円を稼いだFX技術と言っても過言ではありません。

ここは5つの項目に分けられます。

  1. トレード前に細部の条件まで検討し、熟考する。
  2. マーケットを想定し、自分なりのシナリオを立てる
  3. 突発的な出来事、失敗した際のポジションの閉じ方を決めておく
  4. はじめはポジションを小さく持ち、次第にサイズ(通貨量)を大きくしていく
  5. 勝率を低く見積もり、勝ちトレードの際の利益の取り方を決める

トレード前に細部の条件まで検討し、熟考する

「僕の場合、すべてのトレード戦略は、実行される前に熟考され、細部の条件まで検討することにしている。フィーリングでトレードしない理由は山ほどあるね。」

かれは、外為に無限とも思われる材料(重要指標発表・要人発言・事件・政治的進展等)を何と細部の条件まで検討すると言っています。

つまり、トレードする前に、ある意味で、いつか来た道を歩んでいる状態まで熟考しているということになります。これは、戦争前に、優秀な参謀が細部の条件を検討して、熟考するスタイルにも似ています。

マーケットを想定し、自分なりのシナリオを立てる

「夢や噂でトレードしないようにしているからさ。僕は、マーケットを動かすファンダメンタルな条件に従ってトレードするからね。事実を集めて、マーケットがこれからどうなるかというシナリオを組むことにしているから。」

「シナリオを組み立ててマーケットを想定していく、というのは、まさに普段、僕がやっていることだしね。ファンダメンタルズをベースにしているトレーダーなら、だれでもそうさ。」

このように、細部の条件を検討した後は、自分なりにマーケットの全貌を想定し、その想定マーケットに基づいて、シナリオを組む。つまり、想定マーケットにもとづき、トレード戦略を立てていることになります。

 大事なことは、フィーリングや噂、カンなどの短絡的な理由では絶対にトレードしないということです。

突発的な出来事、失敗した際のポジションの閉じ方を決めておく

シナリオを組んだら、まずすべきは、利益を取ることではなく、失敗した場合のポジションの閉じ方を事前に決めておくことである。

「だれかが暗殺されたり、誰かが国連で演説したり、そういうことでマーケットが突然、自分の考えていた方向と反対に動くことがある。それがマーケットなんだ。突発的な出来事はコントロールできない、そいうことさ。ソロモンは、それをよく理解していたんだ。」

「僕は、トレードする前に、もしこのトレードで失敗したら、どうやってそのポジションを閉じるかって考えるんだ。」

このように書くと、彼のトレードの特徴が少しづつ分かってきます。
それは、シナリオを熟考し尽くすものの、その上で、失敗することも熟考し、ポジションの閉じ方まで事前にシュミレーションしている、ということです。

本当に、軍師というにふさわしいトレード技術だと思っています。
一度の負けにこだわらず、全体・長期で大きく勝つ事を目標としているのです。

つまり、局地戦で負けても、何度も勝負を挑み、戦力を残して、最後には勝ちにもっていくという考え方です。これこそ、勝者の戦略です。

はじめはポジションを小さく持ち、次第にサイズ(通貨量)を大きくしていく

「僕のやり方は、マーケットが自分の方向に動き始めたら、それに従って、次第にポジションを積んでいくんだ。絶対に僕は、スケールトレーダーなんだ。」

「重要なのは、取引戦略を具現化するのに最も適したポジションなのか、を検討することだね。」

つまり、自分のシナリオと想定マーケットがあったとしても、いきなり勝負をかけるのではなく、まず少しづつポジションを持ち、流れになってきたら通貨量を増やしていくトレード法になります。

そのサイズは、自分のシナリオと資金量において、最適なサイズであるかを検討する必要を説いています。

本当に優秀なトレーダーは、ポジションを取る際、極めて慎重でかつ細心なのだなと改めて感じました。

勝率を低く見積もり、勝ちトレードの際の利益の取り方を決める

「含み益を拡大することができなければ駄目なんだ。トレードは50%の確率で勝てる、と思っていたら大間違いなんだよ。たった20~30%の確率でしか勝てない。だから、勝ったときにどういうふうに勝つか、それを考えなければいけないんだ。」

「ポジションを閉じる時も同じだね。よし、収益に文句はない。それじゃあ、ここで反対売買をしてしまおう、なんて思わない。そうじゃなくて、マーケットの基本的な状況や価格変動が変わったと思った時、僕はポジションを閉じ始めるのさ。」

勝ちトレードの際の決済のしかたこそ、優秀なトレーダーの真髄を見せ付けるものです。

インタビューにあるように、彼は勝ちトレードは、熟考してシナリオを組んで始めた10回トレードのうち、2~3回しか実際には勝ちトレードにならないと想定しています。

そして、勝ちトレードが現れた時、トレンドが変わるまでどんなに利益が大きくなっても決済しないで待つ。これが500億円稼ぐ真髄なのでしょう。

優秀なトレーダーの資質

優秀なトレーダーの資質として以下の4点が語られています。

  1. 自分の関心を為替一点に絞るための徹底的な献身スタイル
  2. フィーリングや浅い思慮ではトレードしない徹底的に理知的なスタイル
  3. 大多数の流れに逆行してトレードする徹底的な勇気

自分の関心を為替一点に絞るための徹底的な献身スタイル

「個人口座での取引をしているトレーダーたちもいたけど、それ以来、僕は止めたよ。カネを失ったからではなくて、集中力を失いたくなかったからね。2週間ごとに給料をもらって、MMFにそれを入金した。国債投資だけのファンドだよ。」

「本当に優秀なトレーダーは、長時間働く、週末には仕事をする。そんなことなんか全然気にしないね。彼らのマーケットに対する献身には、終わりがないのさ」

やはり、最後は、どれだけ、自分の時間を投入しているかが非常に関係する分けですね。
どんな仕事でもプロフェッショナルといわれるメンバーは、累計何万時間と1ターゲットに絞って、経験知というものが累積されています。為替も同じ事なのでしょう。

言い換えれば、それだけの時間を同じ真剣さで投入すれば、近いレベルまで訓練で上がることが可能であるということを示しています。

フィーリングや浅い思慮ではトレードしない徹底的に理知的なスタイル

「優秀なトレーダーは、フィーリングや短絡的な決断でトレードしないと思うな。特に、優秀で、生き残っていくトレーダーはね。」

「僕の知っている優秀なトレーダーは、みんな頭が良くて、人並みではない努力をしている。努力とは、トレーディングに対して、献身的であり、また集中力を持っているということなんだ。」

「常時、自分に問いかける。「自分は間違っていないか?どこが間違っているのか?どうしたらもっとうまくできるのか?どうしたらもっと情報を集められるのか?」と、取りつかれるようにね。」

優秀トレーダーの特徴は、よく考え抜かれたシナリオ構築力だと思います。

そのシナリオの精度を高めるために、あらゆる情報を世界中から24時間オンライン体制で集め、その断片的な情報をつなぎ、予想し、ひとつの未来のシナリオを作り上げる・・・。

ここに非常に強い理論的な力、理性が働くのでしょう。
裏を返せば、それだけ自分なりのシナリオを構築してトレードしないと、間違った場合、何がどう間違ったのか教訓をつかめません。この教訓を得て行くことがトレーダーとして大事なのだと思います。

大多数の流れに逆行してトレードする徹底的な勇気

「マーケットで他のみんなと違うものを見抜く、という洞察力だけでは不十分だからね。それを行動に移して、管理することができなければ。人と違っているというのは辛いことだけど、基本的には、それが優れたトレーダーの仕事なのさ。」

やはり、献身的でも理知的でも最後は、ポジションを持つ勇気が必要とのこと。
これは、よく細部まで考えを詰められているからこそ、勇気が出てくるのだとも思います。

上記の各項目はどれも繋がっています。

知的に完成度の高いシナリオを構築するには、

  • 常に関心を絞って
  • 長時間投入し
  • その完成度の高さの確信によって

ポジションを大胆にとる勇気が生まれわけですね。

ビル・リップシュッツのインタビューからの学びは大きい。

今回、新マーケットの魔術師の中のビル・リップシュッツのインタビューについてまとめました。

彼の発言には、トレードで勝つためのヒントが沢山入っています。

この教訓を実践すれば、時間と経験量の累積にしたがって、多くの人が優秀なトレーダーになる可能性があると思います。

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