今回は一目均衡表の雲、特に雲を形成する先行スパン2について考察します。

先行スパン2は52期間の半値を26本先に描いたシンプルなものですが、これが非常に効果が高いです。

この記事を読めば、一目均衡表の雲の深さとその使いどころが更にクリアになります。そして、雲を使ったトレード戦略もわかります。

一目均衡表を使っている方や雲に興味がある方はぜひご覧ください。

一目均衡表の雲の機能について

雲は、一目均衡表の中の先行スパン1と先行スパン2に挟まれた領域のことを言います。

一般的に雲は抵抗帯・支持帯として使われ、プライスアクショントレード手法に必須の支持線・抵抗線と非常によく似たものになります。

ラインの方はピンポイントなので正確に当たる事もあるのですが、どこにラインを引くかという根本的な問題もある為、トレーダーの手腕によって引かれるラインは違いますし、外れてしまうことも多いです。

その一方で雲は完全無裁量で描画される抵抗帯、支持帯です。
完全無裁量であるため、ラインとは異なり誰がやっても同じように表示されるのが大きな強みです。

雲が反発する個所について

現在のレートが雲よりも上に位置しているなら、雲は支持帯を示し、逆にレートが雲よりも下であれば抵抗帯になります。

その支持帯の雲の上限と下限は先行スパン1と2ですが、これらのラインとその間のゾーン全てが雲になりますので、雲は割と大きな価格帯を占領しています。

相場の状況にもよりますが、雲は厚みがあります。
これが雲の弱点でもあります。支持帯や抵抗帯の描画がピンポイントではなくやや大雑把なのです。
雲だけに掴みどころが難しいのです。

支持帯として機能する雲の場合、上限はレートの位置から一番近い部分の雲であり、その下限は逆に一番遠い雲の部分です。抵抗帯ならその逆ですね。

青と赤のラインは先行スパンと呼ばれるもので、一目均衡表ではこの二つの先行スパンは転換線と基準線の半値を先行スパン1として、そして過去52日分の半値を先行スパン2として26本先に表示します。日足がベースになっているのが一般的です。

一目均衡表のパラメーターについて
一目均衡表のパラメーターは一目均衡表に特有なもので、遅行線などの時間論を含むかなり特殊な要素を含んでいます。
一目均衡表のパラメーターについては、昔の相場(土曜日も動いていた時代)を反映しているため、9、26、52という数字が使われています。

これについては、現代用にパラメーターを改めるべきという意見もありますが、私はデフォルトのままでも効果があると考えています。

雲を形成する先行スパン2に注目せよ!

雲は上限でも下限でもその真ん中でも反発します。
ピンポイントで反発する個所がわからないのが雲の弱点ですので、それならば一番反発の期待が高い所、つまり支持帯なら雲の下限、抵抗帯なら雲の上限でのエントリーが安全になります。

フィボナッチで言えば、38%よりも深いレベルの50%や61%で待った方が安全というのと同じ考えです。

浅いレベルだと反発せずに突き抜けることもあり、深めに構えた方がダマシに合わないというロジックです。
注目すべき雲の箇所は深いレベルですから、支持帯の下限と抵抗帯の上限になります。

分かりやすく言えば、先行スパン2が深いレベルの反発ポイントになります。

深いレベルからの反発を期待するのですから、雲が小さい場合は例外となります。
これは一目均衡表でも同じ解釈ですね。

雲の薄い部分だとレートが突き抜けやすくなっていますし、反対に雲が厚い場合は大きな壁として抵抗・支持の機能が働きやすいです。

上の画像で雲が厚くなる原因について書いてありますが、これは先行スパン1がより敏感に相場の動きに反応する事と、先行スパン2が遅れて表示されるからです。

これは移動平均線のクロスと同じ理由です。

雲でユニークなものは、先行スパンが平たくなる部分です。

先行スパン2は抵抗帯では上限となり、ここが反発の深いレベルとして注目すべき箇所となります。支持帯では先行スパン2は下限となります。

ここまでの解説でも分かるように、プライスアクショントレードに必須の支持線・抵抗線は一目均衡表の雲と同じ機能をもっています。

ラインを手作業で引くのはコツが分かれば難しくはないのですが、引いた後に現在の価格の位置と比較してどのラインに注目すべきかを知るには経験が必要になるので、超裁量重視です。

雲はというと、表示させるだけなので楽なのですが、カバーする範囲が広すぎるという欠点があります。今回は範囲を絞るという意味で、先行スパン2だけに注目しています。

先行スパン2を重要視する理由

先行スパン2を重要視する理由は以下の2点です。

先行スパン2を重要視する理由
  • 反発の期待が高い
  • 反発の期待が高い箇所(平たくなっている箇所)は、抜けた時は逆に大きな展開がある

先行スパン2に着目した理由は、雲という反発ゾーンの一番深いレベルというのが一つの理由です。

もちろん、反発の期待値が高いというだけで、反発せずに抜けていくというケースもあります。
その反発の期待値が高い箇所を抜けるケースこそが先行スパン2を重要視するもう一つの理由になっています。

実は、先行スパン2のある特殊な箇所を抜けた時が重要であります。
それは先行スパン2が平たくなっている箇所です。

先行スパン2の平たくなった箇所で実際に反発するか抜けていくかの判断は一ひねり工夫が必要になりますが、究極的にはどちらでも良いという結論も出せます。

何故なら、最初は反発期待の逆張りを狙えば良く、それが駄目なら素早く順張りを仕掛けるという判断ができるからです。

ちなみに抜けていくケースの方が反発より重要です。
雲は反発ゾーンという機能をもっているので、当然レートがそこに近づけば最初は反発期待でよいのです。

仮にそのレベルを抜けたなら、先行スパン2が平たい箇所を抜けるという事であって、それは大きな意味があるのです。
ある理由・根拠があって先行スパン2が平たい所を抜けると大きく展開するだろうという予測があるのですが、この理由も先行スパン2を重視する要素となっています。

平らになった先行スパン2の検証

それでは先行スパン2について検証してみましょう。
雲が薄い箇所は例外のケースになりやすいので、雲の厚さにも注意します。

長く続く抵抗帯や支持帯はトレンド中に見られるもので、その様な状況での先行スパン2が平たくなっている箇所は反発しているか、それとも抜けているかを観察します。

そして、抜けた後の展開も重要です。
検証は日足や4時間足チャートで行うほうがわかりやすいです。

平らになった先行スパン2の検証例1

白い丸のところが先行スパン2が平らになっている個所です。

上のチャートでは先行スパン2を多少上抜けましたが、その後は明確に抜けきれず下落していきました。

平らになった先行スパン2の検証例2

このチャートでも平らになった先行スパン2を上抜けましたが、大きく抜けることはできずに下げていきました。

平らになった先行スパン2の検証例3

このチャートでは平らな先行スパン2を明確な大陽線で突き抜けました。
足一本で雲を突き抜けている点に注目です。

その後は大きくトレンド転換していることが見て取れます。

検証からわかること

平らな先行スパン2について深く検証すると以下のことが分かります。

検証からわかること
  • 平らな先行スパン2まで押し戻りするも、先行スパン2でで跳ね返されてトレンド方向に抜けるとトレンドが加速しやすい
  • 平らな先行スパン2を明確にブレイクすると、逆方向のトレンドに進みやすい
簡単に言えば、先行スパン2がサポレジとして機能したら強い反発が起きやすく、逆に明確にブレイクしたらブレイクした方向にトレンドが形成されやすい、ということになります。

しかし、いつもこの傾向がみられるわけではありません。
以下の条件を満たさないと先行スパン2は威力を発揮しません。

先行スパン2の威力が発揮されるとき
  • 雲が厚い、もしくは先行スパンの平たい箇所が比較的長い時
  • 雲の陽転・陰転の切り替わりが激しくないところ(レンジではない時)

特に小さな抵抗帯や支持帯が交互に出るような相場などは効果が発揮できません。
この点だけは注意してください。

ダマシ回避

さて、雲のみでの確率を検証しているのですが、意外にも使えそうだという印象はあったと思います。

もちろん外れたケースもあるのですが、まだダマシ回避ルールを付け加えていない事を考えると十分に期待できるはずです。ダマシ回避についてはプライスアクショントレードとの絡ませ方一つで大きく修正できます。この修正がいわゆるダマシ回避になるわけです。

ダマシ回避のテクニック

雲は反発ゾーンですから、移動平均線による反発という考えと似ています。

つまり、予めツールで反発するだろうという目安のレベルをチャートに表示させておくという使い方は、ボリバンや移動平均線と全く同じです。

しかし、移動平均線にタッチしたら必ず反発するだろうと極端に浅はかに考える事は間違っていて、あくまでも目安となるツールを参考にするというスタンスを維持します。

具体的には、プライスアクショントレードの視点から引いた支持線・抵抗線との絡め具合で調整する、酒田五法の反発サインが出た時だけエントリーするといった条件を付けます。

自分の引いたラインが先行スパン2と一致するならエントリーの候補として十分です。
細かい部分はケースバイケースですが、このような条件を1つ2つ加えるというやり方がダマシ回避になります。

まとめ

それでは本記事についてまとめます。

本記事のまとめ
  1. 雲が支持線・抵抗線と同じ機能を持つという認識で雲の利用価値を考えた場合、主な欠点となる部分がその範囲の広さにある。
  2. 範囲を小さくする為にあえて先行スパン2だけを考えて見る。先行スパン2は雲の中で一番深い反発レベルで、先行スパン1と比較するとダマシ回避目的として一番安全なレベルである為に反発の期待値が高い。
  3. 先行スパンが半値であるという理由からそれ自体が重要なラインであり、先行スパン1よりも先行スパン2がさらに重要となる。
  4. 平らな先行スパン2で反発するか、それとも明確にブレイクするかでその後の相場の動きの傾向が見えてくる。

先行スパン2はかなり興味深い指標です。
次回も先行スパン2について考察します。

次回は以下の記事をご覧ください。

これらを読むことで、あなたも一目マスターになれるはずです。

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