本記事では、投資家心理ついてまとめます。
とても多いので分けて投稿しますが、あなたはいくつ知っていますか?
知っている=バイアスに引っ掛からないというわけではありませんが、過去の自分自身のトレードを思い出しながら読むと、「あぁ、これ経験あるなぁ」と印象に残るんじゃないかと思います。
Contents
アンカリング効果
アンカリング効果とは、最初に提示された価格や情報がその後の判断に影響を与える心理効果です。
まず高めの値段を提示して、「今見ている方限定で〇万円オフ」と言って値引きを演出することで、売り手としては元々売りたかった価格を「割安」に見せて販売することができます。
トレーディングでにおいても、例えばドル円が110円から一気に暴落して108円になっていたら「割安だ!買おう!」と思ってしまう事がアンカリング効果になります。
アンカリング効果によって最初に見た印象が後々になっても引きずるので、暴落しても押し目と思い込んでしまいがちです。
また、元の価格に戻りそうだと感じると、以前の暴騰を思い出すのもアンカリング効果の影響です。
更に言えば、相場の目立った高値や安値のラインに引くサポレジラインが機能するのも、トレーダーたちがアンカリング効果の影響を受けていることに他なりません。
バンドワゴン効果
バンドワゴン」とは楽隊車です。
「バンドワゴンに乗る」とは時流に乗る・多勢に与する・勝ち馬に乗るという意味になります。
現在で言えばツイッターなどのSNSを見て、他のトレーダーが買っていたら買う・・・といったトレードをやっている人はバンドワゴン効果にハマっていると言っていいでしょう。
相対的心理
人は、自分が決めなくてはいけない選択肢を相対的な基準で考える傾向があります。
なぜなら、絶対的な基準で考えるよりも、相対的に考えたほうが脳の負担が小さく、しかも楽で精度の高い結果を得られるからです。
例えば株の初心者は、自分で企業データを分析するよりも、「他の人がその銘柄についてどう考えているのか?」が気になって、掲示板を覗いて買うか買わないかを判断するわけです。
しかし、結果としては相対的判断を参考にしても投資成績には結びつきません。
なぜなら、「相対的判断=全員同じ方向を向いている=買いたい人は既に全員買ってる」という現実になってしまうからです。
人の不幸は蜜の味
掲示板やツイッターで他のトレーダーが損失を出しているのを見た時、「ニヤリ」としたことはありませんか?
また、気に入らないトレーダーを貶めようとしたことはありませんか?
しかもこの快楽を得るために、自分は全く金銭的な得をしない、もしくは不利益になるのにも関わらず、他人を貶めようとするのです。
掲示板やツイッターで揚げ足の取り合いはこの心理が関係しています。
確証バイアス
確証バイアスは、自分の都合の良い情報だけを汲み取ってしまう心理状態です。
そうだ、1時間足を見よう。⇒まだまだ上昇トレンド中だからホールド。1時間足でも下降トレンドに転換後
そうだ、日足を見よう。日足ならまだ上昇トレンド中だから・・・
こんな感じで現実を直視せずに自分に都合のいい情報だけを探っていくことが確証バイアスです。
投資においてはよくあることですね。
都合の良い情報だけを取捨選択せず、現実を見て取引していきましょう。
観察者バイアス
簡単に言えば他人に厳しく自分に甘いことですね。
このバイアスがあると、どうしても自分のトレード結果に対して甘い判断をしてしまいがちです。より公平に、より客観的に自分を見る癖を付けましょう。
内集団バイアス
かつて「ガチンコ」というテレビの中で「ガチンコファイトクラブ」という企画がありました。
この企画ではプロボクサーを育てることを目標に、不良を集めてボクシングを教えていた大人気シリーズです。
ガチンコファイトクラブでは1期生から5期生までがいましたが、それぞれ同期の人たちとは仲良くする一方で、期の違う人たちとは常に対立していました。
これも内集団バイアスです。
エリオット波動の信奉者に多いのですが、「エリオット波動こそ至高の手法で、それ以外は嘘の手法」といった感じで主張している人がいます。
こういった人の特徴は、知能指数が低い、自己評価が低い(自信がない)差別的発言が多い、確証バイアスが働きすぎるなどの特徴があります。エリオット波動を信奉する仲間内にはとても友好的ですが、それ以外のやり方をする人には上から目線に変わったりすることもあります。
社会的手抜き
イナゴ投資家の心理です。
正にコレです。
影響力のある人に従ってトレードしておけば問題ないと信じて、自分は頭を使わずにトレードすることになります。
サンクコスト
例は沢山挙げられます
- ナンピンを何度も入れたからこのポジションを損切りできない
- 一生懸命検証して勝てないと分かったけど、それでも勝てそうな気がする
- 長年勝てないのにも関わらず、それまでの手法や考え方を取り入れようとする
本当はもうやめてしまった方が効率が良いのに、それまでかけたコストが気になってやめられないのがサンクコストです。
少数の法則
人はランダムだったり全く規則性は無いのにも関わらず、何か規則性やパターンを見出そうとします。古代で言えば、夜空の中の星座。
そしてトレーダーは・・・チャートを使ったテクニカル指数です。
これに関しては、賛否両論あります。
私はテクニカル分析は値動きを定量化して統計を出す用途としては非常に使えると思いますが、エリオット波動のように後から何とでも言えるようなパターン分析は正に少数の法則だと思っています。
偽の合意効果
「周りも自分と同じように考えているはずだ」ということは、他人と自分の意見が違うのを嫌うという意味にもなります。
例えば、ちょっと反論されただけで、すごい怒る人。
ツイッターなんかでも多いですよね。
これは偽の合意効果の影響を受けやすい人なんですね。
代表性バイアス(ステレオタイプ)
簡単に言うとレッテル張りです。
私は代表性バイアスの影響は非常に強いと考えています。
キングオブポップの晩年は、子どもの虐待などのスキャンダルに見舞われました。
しかし、それらは全て出鱈目だったことが証明されて、彼の死後、評価が再度高まっている現在であっても、スキャンダルのことを信じている人が多いのも代表性バイアスの一つです。
人間の脳は、自動的に分類を行っているそうです。
こうやって型にはめることで面倒な判断を減らせるメリットがあるのですが、一度型にはめるとそこから抜け出せないデメリットもあります。
例えばポンド円は悪魔の通貨でボラがとても大きい!という代表性バイアスがあるひとは、ポンド円でトレードするのが怖いと感じます。(そんなことは10年も前の話なのですが・・・)
自己奉仕バイアス
- 相場で利益が出た場合⇒相場で勝てたのは100%俺様の実力!
- 相場で損失となった場合⇒俺が負けたのは相場が悪い、手法が悪い!
これが自己奉仕バイアスです。簡単に言えば自分に甘い考えをすることです。
どんなトレーダーも自己奉仕バイアスになって調子が良い時に自分を持ち上げ過ぎた経験があるんじゃないかと思います。
しかし、トレードの勝ち負けは運の要素も強いです。
買っても調子に乗らず、負けても相場や手法のせいにせず、冷静に分析する癖を付けましょう。