2007年からトレードを続けているTさんについてお話を伺いました。
最初は裁量トレード一筋でしたが、5年からEAに切り替えられたそうです。
なぜ裁量からEAに切り替えた経緯やトレードに対する考えなど、相場の世界の実態についてお話を伺いました。
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リーマンショックの思い出
TさんがFXを始められた翌年の2008年に、リーマンショックをご経験されておられます。その当時の状況、そして心境を詳しく教えていただけますか?
回答
記憶は曖昧になってしまいますがとにかく毎日毎日すごい動きをしていました。
スプレッドも当時はそもそもが広かったこともあって、ドル円でも普通に10pips、20pipsはあった気がします。
私自身は怖くて中々トレードできませんでした。
まだその当時はテクニカルを勉強し始めたばかりでこれといった手法もなかったので本当に少額で取引するのみでした。
ビビって中々トレードできなかったおかげで、そんなに損はしていないと思います。言うまでもなくプラスにはなっていませんけど・・・。
有効な商材を探すのは難しい
Tさんは過去に有料情報商材と配信サービスを活用されたそうですが、効果はありましたか?
回答
結論から言えば効果はあったと思います。
商材のおかげでトレードの基礎を知ることが出来ましたし、テクニカルを組み合わせて使う方法やローソク足の読み方が学べました。
しかし、当時の私は少しの連敗ですぐその手法を捨てていたので、利益には結びつけられませんでした。
また、配信サービスも利用しましたが、調子が良い時は勝つものの、結果としては負けるパターンばかりでした。一度負けやすくなっていると感じると、配信が信じられなくなってすぐ辞めてしまったからこう感じるのかもしれません。
ただ、配信サービスはどんなロジックでトレードしているのかが不明なので、自信は一切なく、不安を感じながらやっていたのでストレスでした。
どんな手法でも検証をしないと意味がない
“少しの連敗ですぐに成果が無かった手法を捨ててしまう”と仰いましたが、早い段階で手法を切り替える方の気持ちはすごくよくわかる気がします。
なぜすぐに手法を捨ててしまう事が良くないとお考えなのでしょうか?
回答
相場には波があります。
その手法の得意な相場、つまりしっかり手法が機能する相場の日と、そうでない日があります。
もし仮にその手法を使い始めてから連敗した場合でも、たまたまその日の相場と手法の相性が悪かっただけの可能性があるわけです。なので逆に相性が良ければ勝ちます。
ということはその手法はどの相場が得意でどの相場が苦手なのか、その場合の利益、損失はどのくらいになるのか、また勝率はどのくらいかといった検証が必要になります。
私はろくに検証もせずにいきなりリアルトレードをしていましたので少し負けたら勝手に使えないと捨ててしまっていました。
ちゃんと検証さえしていればもしかしたらその後すごく有効だったかもしれません。
大切なのはその手法がどのような物なのかをちゃんと把握してから使わないと意味がありません。
配信サービスやツイッターのポジション情報に頼ってエントリーを続けているトレーダーが多数おられますが、そのような方々は今後どのような展開になると予想できますか?
回答
配信サービスやツイッターなどで情報を見つけ、検証し、使い続けられる方であるのなら勝てるのかもしれません。
しかし個人的に思うことは、他人が考えた手法は捨てやすいという事です。
ですが自分で考え、悩んで、何度もテストした手法であれば捨てにくいと思います。
どれだけ手法に馴染んだかが勝負ですから、他人に頼っているうちは結果は伴わないと思いますよ。
トレーダーは職人
Tさんは「専業トレーダーになる自信を無くした」ことでEAを始めたとおっしゃいましたが、なぜ自信を無くされてしまったのでしょうか?
回答
私はトレーダーは職人だと思っています。
職人技というのは何年も何年も日々同じことを繰り返し少しずつ腕を磨いていくこと、仕事というものは経験を積んでいくしかないと思っています。
実際に私が出会った年間で数億円稼ぐトレーダーは、本当に職人のように努力をしてトレードをしていました。
それを見て、私はトレーダーという職人になるには経験が絶対的に足りていないことを痛感し、自信がなくなってしまいました。
また、本業の方でそこそこ稼げていたので、ここで無理して専業になる必要はないかな?、現状に満足しているし家族との関係が悪くなるようならば、無理しない方が良いかなと思いました。
時間は有限。掛けた時間とお金が全て無駄になってもいいという覚悟が必要
トレーダーは職人、おっしゃる通りだと思います。
ご家族との関係を大切にされるという理由から、職人への道を考え直したという事かとお見受けしますが、職人になるためにはどのような犠牲が必要なのでしょうか?
回答
私が思う一番の犠牲は時間です。むしろそれしかないと思います。
例えばまず自分に合った手法、それからその手法が有効かどうかのバックテスト、それからリアルトレードでの検証といったことからスタートしてそれでダメならまた1からです。
これをするだけでも莫大な時間が掛かります。
実際にはリアルトレードを始めてからも修正などを日々していかなくてはいけないですし、毎日毎日何時間もパソコンに張り付いていないといけません。
なのでそれができる方、そしてその掛けた時間とお金が全て無駄になっても良いという覚悟がないと無理だと思います。
その人の夢が専業トレーダーになるという強い気持ちがあればもちろん可能だと思いますが、中途半端な気持ちで取り組めばただ時間とお金を捨てるだけだと思います。
時間は有限です。
私は人生の中で他のことに時間を使いたかったので専業トレーダーを目指すのをやめて、副業的にEAで稼ぐことに徹することにしました。
結果から言えばEAの方が勝てた
EAを始めて5年とのことですが、現在はどんな調子でしょうか?
回答
幸いなことに毎年プラスで推移しています。
私はEAの利用に向いているようで、複数のEAを監視して調子のいいEAと悪いEAを切り替えるタイミング、ドローダウン判断等が得意です。
また、EAだと勝ち負けにそんなにこだわらなくなったおかげで、長期的な目線で継続できているのが功を奏しているのでしょう。
思えば裁量トレード時代は1回1回のトレードで一喜一憂していましたが、それがダメだったんでしょうね。自分でチャートを見て売買判断すると、どうしても自分の意見が出て、その通りに行かないとイライラしていました。
EAだとそういった感覚が薄まるのでストレスも少ないです。
勝つためには現在の環境や時間を犠牲にしなければならない
「FXでは9割の人が負け組」という言葉をよく目にしますが、なぜほとんどの人が勝てないのでしょうか?
回答
トレードで勝てないのは「我慢」することができないからではないでしょうか。
手法を構築する手間、エントリーや決済時、ドローダウン期など様々な我慢が必要な時があります。
そしてその我慢することを継続できる方は勝ち組に入れると思います。
しかし簡単ではないと思います。
勝ち組に入るには今現在の環境や時間を犠牲にしないと無理だと思いますのでその覚悟が無い方はお金と時間を無駄にするだけだと思いますのでやめた方がいいと思います。