投資や投機(トレード)は大きく違います。
その大きな違いの一つは「時間」です。
投資は長い年月をかけて資金を増やしていこうとする行為ですが、トレードは比較的短い期間で売買を完結させて利益を積み上げていく行為です。
投資とトレードでは当然やることや考える事が違いますので、求められる適性があります。
今回は投資家の極みである長期投資と投機の極みであるスキャルパーの適正について解説します。
どちらとも同じでしょ!と思っている方ほどご覧ください。
投資家としての適性
まずは投資家の適性を考えてみましょう。
下記の項目が当てはまるなら中長期投資家としての適性があるといえるでしょう。
- 大損のリスクを冒してもあえて大儲け(ホームラン)を狙う
- 細かい事は気にしない
- テクニカル分析よりファンダメンタル分析を重視する
- 時間の流れに身を任せる
投資をする上で大切なことは、細かい事や他人の意見などのノイズを無視できることにあります。
少々の含み損が出ていても気にしないことが一つの適正かなと思います。
スキャルパーの適正
では、投資とは真逆と言っても良いスキャルパーの適正について考えてみました。
スキャルパー(デイトレーダー)の最も重要な資質として、「柔軟であること」「状況を複雑に考えないこと」「直感的、感覚的であること」などがあると思います。
さらに下記項目の多くが当てはまるなら、より短期トレーダーとしての適性があるといえるでしょう。
- 即断即決で状況判断が早い
- 手に入るかわからない大きな利益より、目先の小さな利益を好む
- 大損を何よりも嫌う
- したがって損切り(ロスカット)を躊躇なく迅速に実行できる
- 地道な性格
- 集中力がある
- トレードが好きで心から楽しめる
- ファンダメンタル分析よりテクニカル分析を重視する
- 相場情報(ニュース)に惑わされない
- 少ない情報(板・チャート等)でトレードできる
超短期売買であるスキャルピングの方が、一般的な投資家よりも求められる点は多いと思います。
長期投資もスキャルも技術が必要な点では共通していますが、スキャルの方は生まれて持った適正や相場の動きに対応できる「若さ」も必要ですね。
どれほどスキャルパーとして成功したいと思っていても、性格的に短期トレードに向いていないのであれば、それは無理だと考えた方がいいのかもしれません。
長期投資とスキャルピングは全く違う競技
「勝てるトレーダーなら長期投資もスキャルピングもできる」
と思っている人も多いですが、そんな人はごく少数の器用な人です。
勝ち組のほとんどが自分に合ったやり方を継続しているだけです。
例えるなら、長期投資はマラソン走者でスキャルパーは100m走者と言ったところでしょうか。
マラソン走者と短距離走者は同じ「足」を使いはするものの、体つきから動きまで全く違いますよね?
マラソン走者は細身である一方、短距離走者は筋肉モリモリです。
こうなる理由は、当然勝負が決まるまでの長さです。
マラソンは2時間以上走り続けるため、瞬間的なパワーよりも持久力が求められます。一方で短距離走は持久力以上に瞬間的なパワーが必要です。
このように目的に合わせて体つきは変わるのです。
長期投資とスキャルピングでも、これと同じことが言えるのではないでしょうか?
なので、スキャルピングで上手くいかないから「自分はトレードが向かない」と悲観的になるのは止めましょう。自分にあったやり方やスタイルを探せばいいだけなのですから。
短所が長所になることもある
以上、長期投資とスキャルパーの適正についてまとめてみました。
前述しましたが、スキャルピングは人を選びます。
しかし実際にスキャルピングを頑張っている人の中には、スキャル向きではないにもかかわらず続けて「勝てない・・・」と悩んでいる人も多いのが現状です。
スキャルはチャンスが多いので仕事帰りでもトレード出来るのがメリットですが、簡単に勝てるわけではありません。
まだ勝てていない方は、様々なトレードスタイルを試してみて、自分に合っているかどうかを確認するのも一つの手だと思います。
やったことのないトレードスタイルにもチャレンジしてみると、きっと新たな発見があるはずです。
スキャルに興味のある方は参考にしてみてください。