今回はヒドゥンダイバージェンス(hidden divergence)について解説します。
ダイバージェンスなら知ってるけど・・・
という方も多いのではないでしょうか?
実は普通のダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスは違うものです。
ヒドゥンダイバージェンスのヒドゥン(hidden)は『隠された』という意味ですので、ヒドゥンダイバージェンスは『隠されたダイバージェンス』ということになります。
では一体何が隠されているのでしょうか?
そしてヒドゥンダイバージェンスは通常のダイバージェンス何が違って、具体的にどう使えばいいのでしょうか?
今回はヒドゥン・ダイバージェンスの基礎から見つけ方、実際のトレードでの使い方までを詳しく解説していきます。
Contents
ヒドゥンダイバージェンスと通常のダイバージェンスの違い
まずはヒドゥンダイバージェンスに解説する前に、通常のダイバージェンス(レギュラーダイバージェンス)についておさらいしましょう。
レギュラーダイバージェンスについて
まず一般的に言われているダイバージェンス(レギュラー)の流れをご覧ください。
レギュラーダイバージェンスは
- 価格が高値を切り上げているのに、オシレーターは高値を切り下げている
- 高値が安値を切り下げているのに、オシレーターは安値を切り上げている
という価格とオシレーターの流れが一致しない現象のことを言います。
そして、ダイバージェンスが見られるようになると、トレンドは反転しやすいとされています。
つまり、レギュラーダイバージェンスはトレンド転換を示すサインとして使われます。
これが重要な点です。
ダイバージェンスを使ったトレード戦略については、以下の記事をご覧ください。
ヒドゥンダイバージェンスについて
レギュラーダイバージェンスはトレンド転換を示しますが、ヒドゥンダイバージェンスはトレンド継続を示すサインとして使われます。
- レギュラーダイバージェンス:トレンド反転を示す
- ヒドゥンダイバージェンス:トレンド継続を示す
ではヒドゥンダイバージェンスの動きについて見ていきましょう。
ヒドゥンダイバージェンスは
- 価格が安値を切り上げているのに、オシレーターは安値を切り下げている
- 価格が高値を切り下げているのに、オシレーターは高値を切り上げている
という状況のことを言います。
ヒドゥンダイバージェンスになると、このままトレンドが継続します。
そのため、「上昇トレンド中の押し目にヒドゥンダイバージェンスが発生したら買い、下降トレンド中の戻しにヒドゥンダイバージェンスが発生したら売り」というトレード戦略になります。
ヒドゥンダイバージェンスの具体例
それではヒドゥンダイバージェンスの具体例を見ていきましょう。
ここでは複数のオシレーターでヒドゥンダイバージェンスをご紹介していきます。
RSIのヒドゥンダイバージェンス
まずはダイバージェンスによく使われるRSIからです。
これはRSIヒドゥンダイバージェンスの買いパターンです。
価格は安値を切り上げている一方で、RSIは切り下げています。
しかもRSIは「売られすぎ」のレベルにまで来ています。
次はRSIヒドゥンダイバージェンスの売りパターンです。
価格は高値を切り下げている一方でRSIは値を切り上げています。
しかもRSIは「買われすぎ」のレベルにまで来ています。
このようにしっかりと条件がそろっていたら、ヒドゥンダイバージェンスとなる可能性は高まり、トレンドが継続しやすくなるのです。
他にもRSIのヒドゥンダイバージェンスの例をご覧ください。
RSIのヒドゥンダイバージェンスは比較的見つけやすいです。
初心者の方でも使いやすいと思います。
MACDのヒドゥンダイバージェンス
MACDはヒストグラムですが、考え方はRSIと同じです。
MACDヒドゥンダイバージェンスの買いパターンです。
最初の安値より次の安値の時の方がヒストグラムが下にあります。
これも絶好の押し目買いのチャンスになります。
次はMACDヒドゥンダイバージェンスの売りパターンです。
赤いラインを結んだポイントでは、価格の方はダウントレンドの中で高値を切り下げている一方で、MACDは上昇しています。
やはりこれも絶好の売り場となっています。
それでは他のMACDヒドゥンダイバージェンスもご覧ください。
ストキャスティクスのヒドゥンダイバージェンス
ここまで来たのであれば、ストキャスティクスのヒドゥンダイバージェンスも簡単です。
上昇トレンド中に安値同士を結んで、右側の安値のレートが高く、その一方でストキャスの値は小さかったらヒドゥンダイバージェンスです。
この際、ストキャスが下限にあれば最高の買い場となります。
次はストキャスティクスヒドゥンダイバージェンスの売りパターンです。
ダウントレンド中に高値同士を結んで、右側の高値のレートが高く、その一方でストキャスの値は大きかったらヒドゥンダイバージェンスです。
買いと同じ考え方で、ストキャスが上限にあれば最高の売り場です。
それではその他のストキャスティクスのヒドゥンダイバージェンスもご覧ください。
ヒドゥンダイバージェンスのまとめ
最後にヒドゥンダイバージェンスについてまとめます。
- ヒドゥンダイバージェンスはトレンド継続を示す
- 上昇トレンド中の安値同士を比較する
- 下降トレンド中の高値同士を比較する
- 通常のダイバージェンスよりも見つけにくく、頻度は少ない
ヒドゥンダイバージェンスは「hidden」の名前の通り少し見つけにくく、発生頻度も少ないのが難点です。
しかしその一方で通常のダイバージェンスよりも精度が高く、オシレーターを利用した押し目買いや戻り売りをする際に重宝します。
どのオシレーターでもヒドゥンダイバージェンスは確認できますので、あなたの好みのオシレーターで検証してみてください。トレードの幅が広がるはずです。
本記事に関するQ&A集
トレンドが継続する可能性が高い場面でエントリーポイントを見つけるのに役立ちます。
RSI、MACD、ストキャスティクスなどの一般的なオシレーターで確認できます。
価格が新しい高値または低値を更新しながら、オシレーターがそれに対応せず前回の高値や低値を超えない場合に発見します。
他のテクニカル指標やパターンと組み合わせることで、信頼性を高めることが可能です。